怒りを向ける場所
「お疲れ様でしたと言う声も多々ある一方で、まあ、無責任じゃないか?という指摘もあると思うんです。」
わたしは、今こそ降りてしまったけれど、嵐が好きでした。櫻井くんが好きでした。熱い人でした。
だから分かりました。こんな言葉を聞いたら一番に声を出すのは彼だぞ…とヒヤヒヤしながらこの記者の質問を聞いていた。
けれど。
嵐 会見 無責任
記者 無責任
記者 無責任 特定
テレビを見終わって、色んな思いでいっぱいな中ツイッターを開いたら、わたしの予想より何倍も多くの人が、「無責任」という言葉を発したあの記者さんの質問が失礼だと、怒り狂っていました。朝起きたら、この記者気をつけたほうがいい、命が危ないぞ、みたいなことも書いてありました。テレビでコメンテーターの人が批判の声を上げた、とも聞きました。
あの、皆さん、本気ですか?
わたしは、嵐がどれだけの思いがあって今回のことを決めたのか、ということを痛いほど分かっていながらもやはり、「もしわたしがまだ他の嵐のメンバーのファンだったら、5人で嵐!とはいえ4人だけでも嵐として活動を続けてくれたらな…とか、大野くんがそんなこと言いださなければ…とか思う気持ちも、少なからずあるだろうなぁ」と思ったので、あの記者の質問にそこまで怒り狂う意味は分からなかった。
「いると思うんです」
その通りです。
いるかもしれないんです。
もしそんな人が今はいなかったとしても、彼がそれを昨日あの場で聞いてくれたことで、直接それを本人たちが否定することができる“あの場で”聞いてくれたことで、後から大野くん自身が悪く言われることはなくなったのではないかと思うんです。
とはいえ、あの場で櫻井くんが怒ったのは仕方ないことだと思います。当然だと思います。嵐の皆さんが彼を嫌いになるのは仕方ないかもしれません。彼らも人間だから。
けれど、それを踏まえてみんながみんなあの記者を叩くのは違うと思うんです。記者は、気になることを知るために自分のメディア媒体を購入してくれる人のために、事実を聞きださなきゃいけない。想いを先に知らなければいけない。記さなきゃいけない。
「そういう風に思われてしまう可能性もあるのに、それでもなお活動休止を決めたのは、それほど思いが強かったのですか?」ということではないのかな。
そもそも、「いると思うんです」と言っただけ。「無責任じゃないか!」と言ったわけでもない。
今の時代、色んな人がいて、色んな考え方の人がいて当然です。だからこそあの質問は絶対に必要だった。あんなに和やかな雰囲気の中、あそこまで踏み込んだ、空気を一変させるような質問をしたことは、むしろ賞賛されてもいいとわたし個人は思いました。それなのに、あそこまであの記者が叩かれるのを見ると、自分には関係がないことなのに何故だか胸が痛みます。
こんな、何者でもないわたしが、言うことでもないとは思うけど。
なんだか、みんな、想像力が足りません。