青に溢れたドームで考えていたこと

お前らなんかには無理だって

目の前で破られたチラシも

オンボロのラジカセも稽古場所もなかったことも

俺らの歴史なんだって胸を張って今言えるのは

それでも見守って信じてくれていた

みんなの存在 側に感じたから

 

 

 

ボイメンと聞けば、名古屋のアイドル?と聞かれるくらいにはなった今では信じられないことだけども、デビュー当時、名古屋の商店街のパチンコ屋のステージに立ち、チラシを配っていた10人が、昨日、ナゴヤドームに立ちました。

 


脅威の速さで!とか、目にも留まらぬ勢いで!みたいな言葉がつく勢いで有名になるタレントやアイドルがいる中、これまでの彼らの活動は、ひたすらに地道で、緩やかな坂道だったと思います。

 


冒頭の言葉は、2016年に公開されたボイメン主演の映画の主題歌の中の言葉です。

 


いつ売れるか分からない中、不安いっぱいの彼らに向けられた先ほどの言葉が、いかに彼らを傷つけたか、到底想像もつきません。

それでもめげずにひたすら前向きに突き進んできて、今のボイメンがあるんです。

 


デビューから9年経った今も未だにチラシを街中で配ることだってあるし、シングルが出れば、毎回デパートで特典会付きイベントを行っています。ライブにしろCD発売の宣伝にしろ、何かにつけてほぼ毎日のようにインスタライブを行い、ブログもほとんどのメンバーが毎日書いていて、最近tiktokも始めました。ボイメンの宣伝リーダーの田村くんの衣装の学ランの裏地には、「ボイメンで検索」という言葉が刺繍してあります。自分たちを知ってもらうための活動を全く惜しみません。

 


そんな地道に活動を続けてきた彼らが、ドームに立つ。感銘でした。パチンコ屋が、ドームに。そんな大きなステージを用意されていること自体が感動で、一瞬一瞬がキラキラしていて、オープニングで下から響くような音量で彼らの歌声を聴いた時は、胸が熱くならざるを得ませんでした。

青い風船が飛び交うドームの景色は、きっとずっと忘れられないと思います。双眼鏡に映る彼らは、いつもよりも少し遠く感じたし、少し寂しいような、けどそれ以上に嬉しいような、不思議な気持ちになりました。

 


ちなみに、こんなに知ったかぶって書いていますが、わたしは多分、ファンの方々の中では彼らのことはほとんど知りません。名古屋で冠番組を持ち始めた頃に、ご当地アイドルにしてはカッコいいし、面白いなあ(多くの人が勘違いしていることだけど、彼らはアイドルじゃなくエンターテイメントグループです)、と気になり始め、毎週番組を見るようになり、偶然デパートに買い物に来たときに握手会に立ち寄ったことがきっかけで、今もたまに特典会や大きなライブに行くようになった程度。

 


それでも、彼らはファン一人一人のことを、家族と呼びます。

いつから加わってもいい、来られる頻度も人それぞれでも、出会ったタイミングは違っても、みんなファミリーだ、と。昨日もごく自然に、ゲストで来てくださったナオトインティライミさんに、「俺らの家族を見てもらいたかったので、来てくださって嬉しいです」と私たちを紹介してくれたことが、わたしはすごくすごく嬉しかった。

 


それと昨日ステージで、WOWOWで見ているみなさんもありがとう、と言っていた彼ら。おそらくメンバーの頭の中には、祝日の月曜日ということもあり、都合でドームに集まれなかったファンのことがあったのだと思います。

 


一度興味を持った人の心を掴んで離さないのはきっと、こうやって心の底からファンの人を大切にしてくれるから。

 


今日も来てくれてありがとう、出会ってくれてありがとうと、いつもいつも言う。最後の最後までありがと〜〜!と大きく手を振る。規制退場のアナウンスが流れていても、なかなかステージから去らないアーティストをわたしは初めて見ました。

たくさん言われたありがとうは薄っぺらく感じるものです。けど、不思議と彼らの言葉にはそんな風には感じません。それだけ大切にされていると感じるからでしょうか。


昨日は、もっともっとたくさんの人に、彼らがこんなにアツくて、何事にも全力で取り組む人たちだということを知られる日がきますように、と祈りながら、風船を膨らませていました。

 


まあ、驚くほどの肺活量の無さで、全く膨らまず、手を離したら一瞬で足元に落ちたのですけど。

 


ちゃんちゃん